バレエのための解剖学4
2015.04.08
ターンアウト
バレエでは、基本となる1番ポジション。
両足が180度に開いて5番ポジションに入れた時も前と後ろのカカトとつま先がぴったりくっついている...美しいですよね。
やはり子供のころの柔軟性がある時期に訓練しておくと180度に近い状態になりますが、大人から始めていきなり脚を普段向けない方向に動かすのは相当大変ですし、怪我をしやすくなります。
まず「ターンアウト」、何をどこから開くことをいうのでしょうか。
これは股関節から「脚」(大腿より下の部分)を外旋させる動作になります。
気を付けなければいけないのは、ターンアウトは決して「足」(足首から下の部分)を開くことではないです。
股関節の形は大腿骨の先の大腿骨頭の球関節と言われる部分が、骨盤のソケットと呼ばれる部分にはまっているので、様々な方向に動かすことができます。
そのソケットの中で大腿骨頭を外側に「回す」ことをターンアウトといいます。
大腿骨を開こう、回そうと意識すると、太ももの前、お尻ががちがちに固まって逆に動かなくなってしまうことがよく起こります。
大殿筋、大腿四頭筋、これらは外旋の動作をする大きな筋肉です。
しかし、この大きな筋肉から動かし始めてしまうと筋肉が肥大し返って動きを妨げてしまいます。また大殿筋を固めると同時に反応して内転筋も固まります。
ですので、これらの大きな筋肉をなるべく固めずに、深層にある筋肉を意識することが重要になります。
深層にある筋肉は、深層外旋六筋(梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋)の事を指します。この深層外旋六筋が機能することで股関節が外旋し安定します。
この深層の筋肉を鍛えるためには激しい運動よりも正確な動かし方が重要になります。
また、ソケットの中で大腿骨頭を最大限動かすために股関節の前の鼠蹊部を縦に長くする意識、でもおしり側に落ちしまわないようにハムストリングスから骨盤を押し上げるようにして、股関節の隙間を作ってあげる意識も必要です。
バレエのレッスンの中で意識する事は、
- 1.骨盤がまっすぐ立ち上がった状態で膝とつま先が同じ方向に向いた状態でプリエをすること。(つま先だけ無理やり外に向けないこと)
- 2.プリエから膝を伸ばすときに、お尻が突き出て行かないように骨盤を立てながらつま先の方向に膝を向け続け伸ばしていく。
- 3.股関節の前を縮めずお尻を後ろに出さずに、常にかかとの上に坐骨がある状態で膝を曲げていく。(骨盤が常に高い位置にあり、立っている状態)
写真1.(骨盤が前に倒れ股関節が縮み、つま先を無理やり開いている状態)
写真2.(骨盤が立ち股関節の前が引き伸ばされ、膝とつま先の向きが揃っている状態)
■写真モデル Angel Rスタッフ
この意識をレッスンの間ずっと持ち続けてください。
毎回のレッスンの中での意識が当たり前となって基本が体に身につくことで美しい1番、5番ポジションを作っていきます。
Angel R
ピラティス講師 川本直枝
Angel R表参道スタジオでピラティスのレッスン行っています。
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