バレエのための解剖学3
2015.03.25
バレエのための解剖学3
つま先
指先まで神経の行き届いた美しいつま先、高く厚い甲でポワントで立った時の美しいライン。
これは他のダンスでは見られないバレエの最大の魅力とも言えますよね。
だけど、レッスンの中でどんなに力を入れても、
つま先が伸びない...
どんどんふくらはぎが太くなる...
と悩んでいる方は多いと思います。
まず「つま先を伸ばす」という動作はどこの筋肉が動いているのか考えていきます。
つま先を伸ばす動作を解剖学的用語で言うと「底屈(ていくつ)」といいます。
この底屈の動作をするのはヒラメ筋と腓腹筋です。
写真1
写真1の様にアキレス腱を固めた状態で伸ばしているのが、ヒラメ筋と腓腹筋を使って伸ばしている状態です。
しかし、ヒラメ筋と腓腹筋を使いすぎるとかかとの後ろを縮めてしまい、
ふくらはぎが太くなったり、三角骨の炎症、肉離れを起こしたりと深刻な症状を引き起こします。
更に腓腹筋の起始(体幹に近い、筋肉を引っ張る支点となる部分)はひざ裏を通り、大腿骨に繋がるので、
腓腹筋が働き始めると同時に膝を曲げてしまいます。
写真2
※モデル Angel R講師 前田新奈
バレエでは、写真2のようにアキレス腱を固めずに、ということは腓腹筋、ヒラメ筋をなるべく使わずにポイントすることが重要になります。
そのために使う筋肉が、腓腹筋、ヒラメ筋の更に深層にある筋肉、
後脛骨筋(こうけいこつきん)、長指屈筋(ちょうしくっきん)、長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)です。
この筋肉は足の裏を通り、指まで繋がる指先から底屈させる筋肉です。
これが足底筋と言われる筋肉です。(他にもたくさんの足裏の深層の筋肉はありますが、今回はこの3つを挙げます。)
この後脛骨筋、長指屈筋、長母子屈筋を使い、足の外側から足裏についている長腓骨筋、短腓骨筋を使うことで、
かかとを押し込み過ぎず、足首に負担をかけずにまっすぐ伸ばす(かま足にならないライン)ことができます。
深層の筋肉は意識して使いにくく、足首を伸ばすと意識すると表層にある腓腹筋、ヒラメ筋が先に使われていきます。
では、この深層の筋肉を意識して鍛えるエクササイズをご紹介します。
皆さんがよく使うセラバンドを使います。
まずは、床に膝を伸ばして座ります。
フレックスにした片方の足の裏(指の付け根)にセラバンドをひっかけ、
アキレス腱に力を入れずに徐々に足首を伸ばします。
ここで重要なのが、アキレス腱を固めず足首の力を抜きながら伸ばすことです。アキレス腱が固まっている状態はもう腓腹筋、ヒラメ筋を使っています。
最初はなかなかアキレス腱の力を抜くのが難しく感じるのですが、
足底筋が使えるようになると怪我をしにくくなるだけでなく、徐々に足先が長く綺麗に見えてきます。
このトレーニングぜひ試してみてださい。
Angel R
ピラティス講師 川本直枝
ピラティスプライベートレッスン詳細・予約はこちら